namamugisiryoukan

 いつか行きたいと思っていた生麦事件参考館。

 第2回『生麦de事件まつり』という生麦の商店街イベントがあり、その一週間は毎日開館するとのことでしたので、おまつりの初日、10月31日に行って来ました。

 館内撮影禁止のため、写真はありませんが、面白かったのが文章で伝わるよう頑張ります!!
 
 館長さんのお話があるので「一時間かかります」と最初に言われるのでドキドキ。

「ここにいろいろとイギリス人の絵とかありますが説明文は何もないので、まずはお話を」
 と館長さんの講演の映像を見せてくださいます。

 最初は堺事件などもっと被害者数も切腹した人数も多い事件があるが、生麦事件の方がなぜそれより大きく教科書で扱われるかを話し、薩摩が生麦を通った理由、斬られた外国人たちが生麦を通った理由などを語ってくださいました。
 
 面白いと言っては不謹慎かもしれませんが、斬られた外国人が逃げた道の話が面白かったです。

 自分は横浜にずっと住んでいるため「馬で走って逃げて、神奈川駅のほうにある、アメリカ領事館だった本覚寺に駆け込んで……」「青木町にあったヘボン博士の診療所に助けを求めに行って……」「薩摩の人たちは予定通りだったら生麦を抜けて神奈川でお茶でもする予定だったのですが、保土ヶ谷に急いで行って」などの話が、どこの場所なのかありありとわかるため、非常に面白かったです。
 
 他にも海江田信義が今のキリンビール横浜工場の前でとどめを刺したとか、それを目撃してた人の話や、調べに来た神奈川の奉行所の人の話とか。
 館長さんは学者さんではないので「素人ですが」という話をされてましたが、いやいや、これほど詳細に調べられているのは本当にすごいです。

 1時間聞く価値のあるお話です。途中途中で「保土ヶ谷の本陣には腕利きの30人が詰めて、島津久光さんには大久保利通が付き添い……このあたりは面白い話があるのですが、時間がないので飛ばしまして」など、飛ばした部分をお聞きしたい! というところもたくさんありました。

 展示資料のほうは薩摩側、斬られた外国人さん側の写真や文章、本などの資料がいっぱいでした。
 逃げる途中のリチャードソンさんを斬った久木村治休氏が昭和になってそのことを話した本の展示とか、亡くなったリチャードソンさんの写真とか、生麦事件を描いた錦絵とか。

 自分が薩摩関係に詳しくないのもありますが、見たことのない資料が本当にいっぱいでした!
 また、中村正直さんの『自助論』の当時の本や吉村昭先生の『生麦事件』の原稿もありました。

 今年は映画『天外者』もやることですし、薩摩に興味を持つ方も多いかと思います。
(ちなみに五代友厚はこの生麦事件の影響で、後に一緒に英国留学をする寺島宗則と共に英国側の穂粮になっています)
 お祭りの時以外は常時開館ではないですが、生麦にこういう生麦事件の資料館があるよーと伝わる事を祈ります。
 
 ※勝手に正面から入っちゃってる人もいましたが、この横の入り口から入る形なので、正面の扉を開けて勝手に入らないようにご注意ください。自分の時は目の前で出店をしていたハッピーカフェいいトコさんが資料館の館長さんに声をかけに行ってくださいました。ありがとうございました。

幕末・明治時代ブログランキングへ